体温

日本の資料では、たいてい「ヒト（※　あくまで日本人）の体温は正常時には個人差があるが35〜37度前後の比較的狭い範囲内で調節維持されている」などと解説されている。だが英語圏の医学文献では「平均体温が 98.6°F (37°C)」と解説されており、「ヒトの体温の範囲は97°F (36.1°C) ～99°F (37.2°C)」と解説されている。

なぜかこのような差があるかと言うと、欧米人の場合は日本人と比較して（スポーツをして身体がスラリとひきしまっていて）筋肉質の人々の割合が多く、身体の中の筋肉の比率が高いと体温がやや上がる傾向があり、平均値が（筋肉量が少ない傾向の）日本人よりやや高くなるのである。なお同じ日本人でも、若いころから運動部などに所属して運動量が多く、アスリートとして活動している人や、スポーツから遠ざかってしばらくたっている人でもアスリート体形を保っている人は、欧米人と同様に筋肉質なので、日本人の平均体温より0.5～1度ほど高い傾向がある。

体温が一定の範囲から逸脱すると体温調節機構は正常に機能しなくなり極度になると生命に危険が及ぶこともある。

体温が摂氏42度以上にまで上昇すると死亡率は80%以上となり、反対に体温が摂氏25～27度にまで下降すると心室細動を起こして死に至ることもある。ただし、人工冬眠や全身麻酔の状態では人為的に低体温に対する反応が予防されており医療分野では低体温麻酔などにも応用されている。 

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